第七十三則 曹山孝満

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 衆に示して云く、草に依り木に付き去って精霊となり、屈を負び冤を銜んで来たって鬼祟となる。之を呼ぶ時は、銭を焼き馬を奉む。之を遣る時は水を呪し符を書す。如何が家門平安なることを得去らん。

挙す、僧曹山に問ふ。霊衣掛けざる時如何。山云く、曹山今日孝満。僧云く、孝満の後如何。山云く、曹山顛酒を愛す。

 依草付木の精霊というまあたいていみなさんのことです、酒を飲んで風月に親しみ、自然はいいだの地球を愛するだのいうこれです、清らかに見えて汚れです、無心にみえてまったくの独善です。したがい屈をおび、欝屈するんですか、冤罪です。おれはいいんだけど世の中が悪いとかやる、アッハッハそうねえその他の人あんまりいない。人間仏と生まれてお化けですか、幽霊みたいな鬼になって祟る、でもって紙銭を焼き絵馬を供えして、あるいはお呪いして護符をもって水に流ししている、テレビとか公共のなにがしみなこれ、実はただもうつまらんだけだったり。家門の平安ということを本質知らないのです。
 曹山本寂禅師は洞山良价の嗣、洞山の宗師に至って最も隆なり、故に曹洞の称ありと、曹洞わが宗の祖です。僧問う、霊衣喪服ですか、着ていないどういうわけだ、掛けざる時如何、僧服着るのと同じですか、なにかしら霊力とかいう、世間一般そんなふうに考えていたんでしょう、今日真っ黒い作務衣きて頭つるっつるに剃って歩いている兄ちゃん、アッハッハこれやっぱりまだそういう尾ひれ引いているんですか。タブ-なしのなんでもありになると、やたらアホ臭くなったり、どこまでいってもどうもならんのは、依草付木の精霊を免れんからですか。山云く、曹山今日孝満、三年の喪も明けたで孝養存分だといった、うっふどうだってなもんです。馬鹿坊主まだ聞いている、孝満の後如何、山云く、顛酒、酒に酔いつぶれているってわけです。せっかく世の中生きているんですよ、自縄自縛の縄ふっきって思う存分やって下さい、たった一日でいい、他の百生をも救うんですよこれ。なぜかっていうんです、市長の演説成人式にやってないでさ。

頌に云く、清白の門庭四に隣を絶す、長年関し掃って塵を容れず。光明転ずる処傾いて月を残す。爻象分るる時却って寅に建す。新たに孝を満ず、便ち春に逢ふ、酔歩狂歌堕巾に任す。散髪夷猶誰か管係せん、太平無事酒顛の人。

 清白の門庭とまた故事来歴があるんですが、要するに先祖が清廉潔白な人物で代々これを継ぐとある、仏という四隣を絶する潔白ですか、そりゃまあそういうこって濁りにしまぬ露の玉、心は汚れずこぼたれずという、なぜかというに無心です、ないものは損なわれない、ゆえに金剛不壊たるを知って仏教です、人の救いなんです。ゆえに長年とざし来たって塵を容れずは不都合、そんな荷厄介なこたいらんです、百害あって一利なしですか、即ちもと汚れない一微塵もつかず、不染那です。無生を知る、頓に自覚する無自覚、光明転ずるところ傾いて月を残す、ほうら気がついたらたった一箇の月、交象分時とは陰と陽が変じて春来たる、寅は東の方、春は北斗七星の柄が東をさす、枯木巌前花草常春、死んで死んで死にきって思いのままにするんです、とらわれのお人形さんじゃない、操りの縄んふっ切れるんです、すなわち春に逢う、酔歩狂歌頭巾が落ちたらそのまんま、ざんばら髪夷猶千鳥足もそいつを観察する人がいないんです、衒いや物まねじゃない、太平無事の酒顛です、別に酒飲まんたっていい、一生に一度こうあって、アッハッハこの世をおさらばして下さい。

画像の出典 
ゼラニューム
・風露草(ふうろそう)科。
・学名 Pelargonium zonale
Pelargonium : テンジクアオイ属
zonale : 環状の紋のある
Pelargonium(ペラルゴニューム)は、ギリシャ語の「pelargos(コウノトリ)」が語源。実の形がこのくちばしに似ていることから。

香水を作るときのベースの材料になります。

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by tozanji | 2005-07-11 00:00 | 従容録 宏智の頌古


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