第四十九章

第四十九章

第四十九祖雪ちょう鑑禅師、宗かく天童に主たりし時、一日上堂、挙す、世尊に密語有り、迦葉覆蔵せず。師聞きて頓に玄旨を悟り、列に在りて涙を流し、覚えず失言して日く、吾輩什麼としてか従来せず。かく上堂罷り、師を呼びて問ひて日く、汝法堂に在りて何すれど涙を流すや。師日く、世尊に密語有り、迦葉覆蔵せず。かく許可して日く、何ぞ雲居の懸記に非ざらんや。


師諱は智鑑、児たりし時、母ために師の手の瘍を洗いて問いて日く、これなんぞ。対えて日く、我が手は仏手に似たりと。長じて父母を失う。長盧清了に依る、時に宗かく首座たり、すなわち之を器とす。後に象山に逃れて百怪惑はすこと能はず、深夜に開悟して証を延寿(法眼宗三祖永明延寿)に求む。しかしてまたかく和尚に参ず。宗かく天童に住し、師をして書記に充てしむ。かく一日さきの因縁を挙す。ねはん経如来性品第四の二、爾時迦葉菩薩、仏に白して言さく、世尊仏所説の如き、諸仏世尊に密語ありと。是の義然らず、何を以ての故に。諸仏世尊唯密語ありて密蔵あることなし。譬えば幻主の機関木人の如し。人屈伸伏仰するを覩見すと雖も、内に之をして然らしむるものあるを知ること莫し。仏法は爾らず。悉く衆生をして咸く知見することを得せしめ、如何ぞまさに諸仏世尊に秘密蔵ありと云うべき。仏迦葉を讃して善哉善哉善男子汝が所言の如し。如来に実に秘密の蔵なし。何を以ての故に、秋の満月の空に処して顯露に、清浄にして翳なきが如く、人皆覩見す。如来の言もまた是の如し。開発顯露にして清浄無翳なり。愚人解せずして之を秘蔵と謂う。智者は了達して即ち蔵と名けず。
ぼう蟹の七足八足するが如しと、蟹を茹でると七足八足、意識なくかってにするさま、どうですかこれ、幻主悟らぬ人は屈伸伏仰を知ってするんですか、知らないでするんですか、悟った人は知らないでするんですか、知ってするんですか、あっはっはこれわしの密語です、よってもってよく確かめて下さい。何ぞ雲居の懸記とは、雲居道膺祖が雪ちょう智鑑の出現を予言したこと。師聞いて頓悟す、涙を流し、我輩何としてか従来せず、何ゆえかありどうしてこうあるかわからんのです、呼んで問うて日く、何すれぞ涙を流すや。師日く、世尊に密語あり、迦葉覆蔵せず。これ涙流れるです。

謂つべし金剛堅密の身、其身空廓明明なるかな。

金剛石ダイヤモンドも崩壊します、では何が壊れない、なんのかんのと有心の人云うんでしょう、有心であるかぎり有るんです、不思議ですねえ、無心は無いんです、すなわち無いものは壊れっこないんです、これ仏教、心が無いと知って救われるんです、殺し文句やお為ごかしじゃないんですよ、これっきゃない他なし。

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by tozanji | 2006-01-13 00:00 | 伝光録


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