2006年 01月 06日 ( 1 )

第四十二章

第四十二章

第四十二祖梁山和尚後の同安に参侍す。安問ふて日く、如何なるか是れ衲衣下の事。師無対。安日く、学仏、未だ這箇の田地に到らざるが最も苦なり、汝我れに問へ道はん。」師問ふ。如何なるか是れ衲衣下の事。安日く、密。師乃ち大悟す。


師諱は縁観、後の同安に執侍すること四歳、衣鉢侍者に充つ。同安有る時上堂、早参、衲法衣を掛くべし。時到りて師衲法衣を捧ぐ。同安、法衣を取る次いで問ひて日く、如何が是れ衲衣下の事。師無対。乃至大悟す。礼拝して感涙に衣を湿ほす。安日く、汝既に大悟す。又道ひ得るや。師日く、縁観即ち道ひ得ん。安日く、如何が是れ衲衣下の事。師日く、密。安示して日く、密有り密有り。
師これより投機多く密有の言あり、学人ありて衲衣下の事を問ふこと多し。如何が是れ衲衣下の事。師日く、衆聖も顕すこと莫し。家賊防ぎ難き時如何。師日く、識得すればあだを為さず。識得して後如何。師日く、無生国裏に貶向せん。是れ他の安心立命の処なること莫しや。師日く、死水に龍を蔵さず。如何が是れ活水龍。師日く、波を興して浪を作さず。忽然として傾秋倒岳の時如何。師下座把住して日く、老僧が袈裟角を湿却せしむること勿れ。また有る時問ふ、如何が是れ学人の自己。師日く、寰中は天子塞外は将軍。是くの如く他の為にす、悉く是れ密有を呈示すと。
学仏未だ這箇の田地に到らざる、最も苦なりと、まことにこれ実なるかなです、いずれの地獄もっとも苦なりと問うに、洞山示して日く、学人未だ仏に到らざる、地獄のうちもっとも苦なりと。どうしても別の標準です、こうあるべきどうあるべきのたがが外れて、感涙に衣をうるおす、標準が自分なんです、すると省みる自分がない、密ですよ、密有り密有り、是是、他にはまったくないんです。衆聖も顕すことなし、だれがなんといって示すこともできないんです、だからといって妄想絶無なんていう、外野のあげつらうのとは違う、念起念滅する、家賊防ぎ難き時如何、防ごうとするに及んで収拾がつかんですか、識得すればあだをなさず、目を向けりゃないんです、そんな処から始めりゃいい.もとまっただ中です。無生国裏に貶向す、そのまんま手放しなんですよ、これが他の人にはできないんです、どうしても括弧とか紐でくくりたがる、すると死水に龍を蔵さず、死体いなっちまうってこってす、如何が是れ活水龍、ぶんなぐってやりゃいいところを、親切に示す、無理無謀がないんです、天子は帷中にすべてを見そなわせ、塞外に戦うのは将軍です、もとこれっきゃないって、あべこべしないんですよ。

水清うして徹底深沈たる処、琢磨を待たずして自ずから螢明なり。

わずかに自分というたがが外れるとかくの如くです、切磋琢磨みがいて修行してどうのこうのじゃない、そんなもののまったく届かぬ、ぼっかあずんぼらけ。密有り、ものみなの役に立ちますよ。

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by tozanji | 2006-01-06 00:00 | 伝光録